今回は、元中学の英語教師からの、英語音読の重要性についてです。
現在は、弊教室の発音インストラクターですが、長年中学生に英語を教えてきた経験から、いかに英語学習に音読を取り入れることが大切か、の話を2回に分けてお届けします。
まず、実際の英語教育現場の現状は?
【中学校・高校での授業では】
コミュニケーション重視の考え方により、高校の英語授業はすでに「授業は英語で」行うことになっており、中学校でも21年度の新指導要領で「授業は英語で」行うことになり、前倒しですでに英語での授業が行われています。
授業で英語をつかう機会は増えますが、
個々の生徒の発音チェックまでは手がまわりにくくなりますし、英語特有の強弱リズムやイントネーションまで指導するとなるととても時間が足りなくなります。
何が問題なのでしょうか?
【英語の音読不足は意識されていない】
ピアノ教室に通って週1回のレッスンを受けるとして、その1回のレッスン中の練習だけでピアノは上手に弾けるようになりません。
例えば一つの曲を自宅で最低5回ずつ毎日練習するとしたら30回練習することになります。
この練習をサボって週1回のレッスンだけで、
何故わたしはピアノが弾けるようにならないんだ?と文句をいう人はいませんが、
週3回、4回の英語授業だけで
なぜ私は英語が話せるようにならないんだ?という人はたくさんいますし、日本社会全体がこの点に不満をもっているように思えます。
「習うより慣れろ」は昔からのことわざですが、英語の音にも慣れる時間が必要なのです。
教科書の音読は何回くらいしていますか?
【音読はどれぐらいすべき】
英語をことばとして自在に操れるようになるためには、英文の意味としくみを理解した上で、まず正しく発音できるように練習し、そのうえで自然なスピードで読めるまで練習する必要があります。
日本の同時通訳の草分けの國広正雄先生は道元の「只管打坐(しかんたざ)」にならって「只管朗読」―ひたすら朗読すること―を唱えられました。
私からの提案は一度同じ文章を100回朗読してみて、自分の変化に気付く体験をしてほしいということです。
朝10回、夜10回を5日間続けると100回になります。
これを繰り返していくと最初100回かかっていたレベルに、だんだん少ない回数で到達できるようになってきます。
もちろん意味も考えずにお経のように唱えるのではなく意味も考えながらの朗読です。
本文の意味を理解した上で音読するのですから、よけいな勉強のように思えるかもしれませんが、何年も英語を学習することを考えると、
体に染み込ませる学習が最終的には一番楽ができる勉強法といえると思います。
「聞き流すだけでいつの間にか英語が口をついて出てくる」という宣伝がありますが、日常的なあいさつのレベル以外は決してそのような結果は望めません。
英語を使いこなしている人はみんなどこかで努力をしていることを知ってください。
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