名詞の所有格を作るのは割と簡単ですね。英語が苦手な人でも、「Hanako’s room」などとすぐに書けると思います。ですので、所有格を作るときにふと考えてしまうパターン、例えば
girls、ladiesなどの複数名詞の場合は? Jobsのように、sで終わる固有名詞の場合は? |
についてと、所有格の発音を取り上げたいと思います。
Contents
名詞の所有格の作り方と発音
単数名詞
形:「’s」(アポストロフィーs)をつける。
Hanako’s bag
発音:[z][s][iz]のいずれかになる。
- 有声音で終わる名詞は、有声音の[z]: my father’s car/John’s bike
- 無声音で終わる名詞は、無声音の[s]: a week’s work/the bank’s former chairman
- 語尾の音が[s][z][S][tS][J]で終わる名詞は、[iz]: Rose’s book/Alice’s adventure
規則変化の複数名詞
形:「’」をつけるだけ。
発音:しない。つまり複数名詞を発音すればよい
a girls’ schook/the ladies’ room/my parents’ wedding
不規則変化の複数名詞
形:「’s」をつける。
発音:[z][s][iz]のいずれかになる
- 有声音で終わる名詞は、有声音の[z]: the children’s room
- 無声音で終わる名詞は、無声音の[s]
- 語尾の音が[s][z][S][tS][J]で終わる名詞は、[iz]: the mice’s nest
単数名詞と同じですね。
Sで終わる固有名詞の所有格の作り方と発音
少しややこしいのが、「s」で終わる固有名詞の所有格です。簡単に先に結論を言うと、はっきり定まっていないようです。
Steve Jobs’ speech [sti:v dJabz spi:tS]という表記が多いようですが
Steve Jobs’s speech [sti:v dJabziz spi:tS]という表記も目にします。
Steve Jobs’ speech で、[sti:v dJabziz spi:tS]という読みも可能です。
Sで終わる固有名詞についてまとめると、
1. ギリシャ・ローマの古典の人名は「’」のみつける
Socrates’ wife [sa^krEti:z wOif]
Achilles’ tendon [Eki^li:z te^ndEn]
Sophocles’ works [sa^fEkli:z wC:ks]
2. 「’s」をつけると発音が煩雑になるものは、ふつう「’」のみをつける
Moses’ prophetic role [mouziz prafetik roul]
※ Moses’s [mouziziz] では発音しにくいので。
3. 一般的な s で終わる固有名詞の場合は、「’s」
James’s book
My Boss’s Daughter 映画「セレブな彼女の落とし方」(2003)の原題名
Bridget Jones’s Diary 「ブリジット・ジョーンズの日記」
但し、「’」のみをつけた表記も目にします。
そこで、一般的には、(上記 1. 2 以外は)
Jobs’ speech も Jobs’s speech もどちらも可能である。
読み方は、Jobs’ を [dJabziz]としても可能、と考えるといいでしょう。
ネイティブでもこれについては疑問に思うようで、いろいろな意見があるようです。
よく言われる結論としては、
どちらも正しいとしていますが、style の問題として個人で統一するように |
ということのようです。