英文の発音において、母音はよく「弱化」します、また「脱落」することもあります。その名の通り母音があいまいになるのですが、どこでそうなるかと言うと、多くは、
弱く読む箇所で起きます。
文章の強弱のつけかた
すごく簡単に言うと、基本的に文章ではキーワードになる単語が強く読まれ、それ以外は弱く読まれます。
It’s nice and warm in the spring.
上記の文のキーワードは?と言われれば、nice/warm/spring ですよね。
こういうキーワードのことを「内容語」、それ以外を「機能語」と呼ばれます。
内容語は必然的に、名詞、動詞、形容詞、副詞などになることが多くなります。
機能語は、文法上必要だけれども、それだけでは内容が伝わらないものです。性質上その多くは前置詞や接続詞や冠詞や助動詞などになります。
・・・と理屈ばかり考えすぎても大変になってくるので、まずは音読練習する文の意味を考えながら読むことを意識してみましょう。
相手に伝えたい内容を強めに読んで、他の所で休む気持ち(つまり弱く発音)です。
この弱く読むところ、つまり機能語ですが、速く発音されてかろうじて子音が聞こえるくらいになり、母音は弱化したり脱落したりするのです。
辞書に載っている2通りの発音
機能語にあたることが多い前置詞や接続詞などは、辞書をみると、発音が2種類以上載っていることがあります。
強勢の発音(または強形)と弱勢の発音(または弱形)です。(当教室では強勢・弱勢で説明しています)
研究社 新英和中辞典 より引用
ランダムハウス英和大辞典 より引用
実際に聴いてみよう
ディクテーションのトレーニングをすると、機能語や、リエゾン(単語間の音のつながり)がとれなくてがっくりする人も多いと思いますが、あなたの耳が悪いわけでなく、実際には強勢で発音されておらず、
例えば and は、[And] という発音ではなく、[En] や[n] だけだったり、
the だったら、何かはっきりきこえないけど、そこに何か小さな音がある、という感じです。
of は、[v] だけや、[E]しか音が残っていないこともあります。
try to say 全体的に良く聞こえるのは、内容語の子音ですね。(try say) to は、強勢は[tu:]ですが、弱勢の[tE]で発音されています。 |
bread and butter/I’ll go and get and は、ほとんど [n] しか聞こえませんね。 |
a friend of mine of の強勢の発音は[Vv]ですが、 前のdからリエゾン(連結)して、[dEv]と発音しています。 |
発音も聞き取れない原因のひとつ
英語が聞き取れない理由は様々ありますが、発音に関しては無関心でいると、どうしても日本語感覚を英語に持ち込んでしまいますから、それが余計に、ご自身が思っている発音と実際の発音とにギャップをうみ、聞き取りづらくなってしまいます。
ディクテーションをしていると、
「ほんとに今、そう発音した?」
「スペリング通りに全然聞こえないんだけど」 って感じると思いますが、そういうもんです(笑)
母音が崩れるという知識はこれでつきましたから、上記のように感じながら学習している人は、音の学習も取り入れていらっしゃるということですから!良い傾向です。